お塩で減塩ってどういうこと?

必要な塩分量

では体内に基本的に必要な塩分量とはどのくらいなのでしょう?前述の通り、人体の塩分濃度は人体の全体水分量の約0.85%とされているわけですが、もとも成人なら、体重の約60%が水分であり、従って、体内に必要な塩分量は、「水分量(=36kg)で、体内塩分量は「水分量×塩分濃度=306g」ということになります。

これが標準的な値となるわけですが、これを1日の食塩摂取量に置き換えて考えてみると、「2015年4月からの厚生労働省推奨食塩摂取量の目標量」では、健康な成人男性の場合は1日の食塩摂取量が8.0g未満で、女性は7.0g未満とされています。ただし、高血圧の治療をしている人では6g以下となります。(高血圧治療ガイドライン2014年版参照)。また、腎臓疾患者の場合は3~6g以内ともされています。(厚生労働省:慢性腎臓病CKDの資料参照)。世界保健機関(WHO)での減塩目標は5gということです。

いずれにしても、減塩を叫ぶ前に、まずは体に必要な塩分量を保つことが大切なのです。つまりは排出と摂取のバランスです。排出と摂取のバランスが取れた日常生活というのは、食塩摂取量を目安にしますが、同時に食塩の排出量の意識も大切なのです。

塩分量は汗の量にも影響します。食塩は、汗、便、尿によって体外へ排出していきます。ここに含まれる食塩は、全食塩の排出量のうち2~5%です。スポーツをよくする人、汗をかく量が多い人は、水分補給と同時に塩分補給も必要です。塩分不足は健康を損なうのです。