お塩で減塩ってどういうこと?

塩分の摂り過ぎ

ここまで塩分の必要性について述べてきたわけですが、テーマは減塩です。ここからは塩分を摂り過ぎることの弊害を説明していきましょう。

飲食物で塩分を摂り過ぎた状態にあったとすると体にはどんな症状が出てくるのでしょうか。まずは、とにかく「のどが渇く」はずです。摂取した塩分は、体内でナトリウムとなり、それが骨、細胞外液(血液や消化液)に運ばれていきます。ナトリウムの運び役となるカリウムが相対的に不足していたら、その代わりに水分を取り込んで塩分濃度を薄めようとする作用がいわゆる「のどが渇く」ということになります。

そして、「血圧が上がる」です。塩分濃度を薄めようとして、のどが渇きますが、それと同時に尿や汗など水分の排出も抑制されます。血液など細胞外液に更に水分を多く取り込もうとするわけですから、今度は血液量が増えて血圧が高くなるのです。そうすると今度は「むくむ」という現象が現れます。溜め込んだ水分が過剰になると細胞からあふれます。これが細胞周囲に溜まると「むくみ」という現象になるのです。

また、ナトリウムの排出は主に腎臓の濾過機能で行ないますが、大量のナトリウムを排出すると腎臓に負担がかかります。濾過機能が衰えてきたら、もっと働かせるために自律神経によって腎臓を通る血液量が増やされるので血圧は高くなります。 つまり、塩分の過剰摂取が続いているような人は、いつも血圧も高い状態になりやすくなるのです。ひどい場合には腎臓疾患になります。そして、不整脈や心疾患の危険性も増加します。こうしたことから、いわゆる「減塩」というブームが起こってきたのです。